標準的な老後の生活費は以前のページでしらべました。
高齢になるにしたがって毎月の生活費は変わるのでしょうか?
総務省統計局(老齢年金受給者実態調査)平成23年のデータを参考にまとめました。
歳をとるにしたがって毎月の生活費は減っていくのでしょうか?
それでは見てみましょう。
下の図は、老後の夫婦暮らしで、世帯主の年齢ごとの毎月の支出額(生活費)をまとめたものです。
60歳以降の年齢を5歳ごとにまとめています。
例えば、一番左は60歳以上、65歳未満の世帯では、毎月の平均生活費が29.9万円かかっています。
それよりも右に行くにしたがって世帯主の年齢が上がり高齢になっていきます。
75〜80歳で26.6万円といくらか生活費が減っているようですが、その後に増えてまた減少しています。
70,80,90と高齢になっていっても、老後の生活費はあまり変わらないと言うことができます。
よって、老後資金を見積もる場合は、毎月の生活費は年齢によって変わらず一定として扱います。
老後はだんだんお金を使わなくなるから大丈夫だろうという話を時々耳にする機会がありますが、そのような思い込みは絶対にしない事です。
この統計では60歳からの老後の平均生活費は28.3万円/月です。
尚、統計データの分布は以下のようになっています。
毎月の生活費が20〜25万円の世帯が最も多く、次いで25〜30万円です。
生活費が40万円以上と回答した方が結構いると同時に、10万円以下で暮らしている世帯も少なからずいます。
下の図は、一人暮らしの方の年齢別の生活費です。
青は男性、ピンクは女性の場合を表しています。
図の見方は上と同じで、横軸は5歳ごとにまとめた年齢、縦軸は毎月の生活費です。
(男性の場合)
平均の生活費は18.9万円/月です。
75〜80歳の生活費がもっとも多く20.7万円になり、その後元のレベルで上下します。
夫婦世帯の場合と同じく、顕著な生活費の差はないように見えます。
(女性の場合)
平均の生活費は16.3万円/月です。男性よりも月当たり2.6万円も生活費がかかっていません。
女性の場合は男性よりも5歳早く70〜75歳の生活費がもっとも多く、18.7万円です。
その後、多少生活費が減りますが、その後は同レベルの生活費で生活しています。
夫婦世帯の場合と同省に、顕著な生活費の差はないように見えます。
以上のように、毎月の生活費が年齢によって顕著に変わる傾向は無いといえそうです。
年齢とともに毎月の生活費は変化しないと言える。
老後資金を見積もる場合は、寿命までの毎月の生活費は年齢によって変わらず一定として扱って計算する方が良い。
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